会長挨拶
第64回日本心血管インターベンション治療学会関東甲信越地方会・Tokyo Live Demonstration 2024開催にあたって
このたび第64回日本心血管インターベンション治療学会関東甲信越地方会の当番会長を拝命しました上尾中央総合病院の緒方信彦です。例年通り秋の地方会では初日金曜日にTokyo Live Demonstrationを併せて開催としますが、本年は初めての試みとして、株式会社ハート・オーガナイゼーション様のe-casebookを利用した完全Web開催とさせて頂きました。日常業務に多忙で会場までお越しいただくのが困難な中堅若手医師やメディカルスタッフに皆様にも、そして関東甲信越以外のCVIT会員の皆様にも手軽に教育的なTokyo Live Demonstrationを供覧できる機会提供となることを期待しています。PCIならびにEVTは当院の血管造影室からライブ配信を行い、SHDビデオライブについては大手町の配信スタジオからの配信をさせて頂きます。院内や職場からから気軽に聴講して頂き活発な討議にご参加下さい。
2日目の地方会についてはこれまで同様に、大手町サンケイプラザの会場を用いて、オンサイトのみの形式を予定しました。(Web配信はありません)
本学会のテーマは「次世代に伝える繋げる」とさせて頂きました。様々なEBMに基づくガイドライン改訂や薬物療法の進化に伴って、安定冠動脈疾患に対するPCIは明らかに減少傾向です。またPCI後再狭窄率の低下や非侵襲的画像評価の技術革新により、カテーテルCAGそのものを行う機会も減りつつあります。その中で診断治療に関連する技術を次世代にどう伝えて教育を行うのか、すべての世代の医師あるいはメディカルスタッフにとって共通の課題です。さらに今年から本格化した、「医師の働き方改革」は医師のみならずメディカルスタッフや病院事務にとっても新たな挑戦です。一層のタスクシフトならびにタスクシェアが不可避と思われますが、地域や医療機関でのバラツキは避けて通れません。関東甲信越支部は都心から僻地までが揃い、国内でもっとも多様性に富む地域支部と言えますので、医療の均てん化や質の向上について、異なる職種や地域から忌憚のない意見交換ができればと考えています。
会長企画として、まず石灰化病変をターゲットとして「心臓CTから組み立てるPCI戦略」、次に大きな転換期を迎えた「働き方改革時代のPrimary PCIの均てん化」そして「新しい働き方とチームビルド(メディカルスタッフセッション)」の3つを企画させて頂きました。さらに特別企画として、「EVTの治療適応と限界を考える」というテーマでセッションを設けました。成熟期を迎えた下肢血行再建やフットケアのあるべき姿を探索すべく、LEAD/CLTI領域のスペシャリストに問題提起と意見交換をお願いしております。
昨今学会を取り巻く運営環境は年々厳しくなりつつあり、医療倫理面のみではなく開催資金面という観点からも、地方会主催の従来型ライブデモンストレーションは大きな変革の時を迎えています。若手世代はどのようなコンテンツを求めているのか、今後の地方会ライブデモンストレーションはどうあるべきかという探索的なテーマで、はじめて「東京ライブ実行委員セッション」を設けました。レジェンドから歴史を学び、現状を踏まえつつ、若手から大胆な意見提起を頂くセッションです。運営委員会終了後に同一会場で開催しますので、とくに運営委員や若手医師の皆様、協賛や共催をお願いしている企業関係者の皆様にぜひご参加をお願い致します。コロナ禍を越えて新たな地方会運営やコンテンツ作成のヒントとなる議論を期待しています。
最後に本会の企画運営するにあたり、CVIT関東甲信越地方会幹事、東京ライブ実行委員の皆様にご助言ご指導を頂きました。協賛協力を頂いた多くの企業関係者の皆様、プログラム作成や演題の査読整理を担当した上尾中央総合病院のスタッフ各位、運営事務を担当していただいたコンベンションプラス株式会社の皆様の多大なるご協力ご尽力に心から御礼を申し上げます。皆様とオンライン・会場両方でお会いできることを楽しみにしております。
第64回日本心血管インターベンション治療学会関東甲信越地方会
会長 緒方信彦
上尾中央総合病院 心臓血管センター
循環器内科