第2回 内視鏡的全層切除・縫合法研究会(報告)

第2回内視鏡的全層切除・縫合法研究会が、2020年12月26日(土)に完全WEB方式で開催され、盛会裡に終了したことをご報告いたします。お蔭様で176名の方々にご参加いただき、当番世話人、事務局よりご参加および研究会成功にご尽力いただいた皆様に心から重ねて御礼申し上げます。会の運営に際しましては不行き届きの点も多々あったことと存じますが、何卒ご容赦頂きますようお願い申し上げます。末筆ながら、皆様方の益々のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。

当番世話人

井上 晴洋
昭和大学江東豊洲病院 消化器センター

当番世話人挨拶

 消化管における内視鏡診療は、EMRに始まり、ESDの開発・普及により早期がんに対する標準治療として定着し、医療の発展に大きく貢献しておることは言うまでもありません。
 さらに、粘膜下層内視鏡の登場により、POEM、POET、またPocket creation methodへの発展、さらにPOEM+FのPure NOTESの臨床など発展を続けております。
 またInterventional EUSの発展にも目を見張るものがあるのは周知の通りです。
 一方、内視鏡的全層切除術・縫合法の開発は、Overstitchの実用化により、米国が大きくリードしております。ヨーロッパではObescoの有用性が多く報告されております。
 このような背景の中、我が国でもこの領域の情報収集、独自の方法の開発が急務となっております。そこで昨年2019年12月22日に「第1回内視鏡的全層切除・縫合法研究会」が昭和大学江東豊洲病院講堂開催されました。多数の参加者のもと、熱心な発表、討論がなされました。日本におけるこの領域の現状を広くご披露いただきまして、この領域の重要性を発展性を改めて認識した次第です。
 今回、第2回研究会は、”内視鏡的全層切除・縫合法が拓く低侵襲治療の未来”という研究会タイトルを掲げ、この領域の最新情報が皆さまと共有できればと考えております。
 演題は、内視鏡的な全層切除術や縫合法・縫縮法についての経験、工夫、トラブルシューティングなど、関連する演題を広く募集いたします。もちろん興味深い貴重な症例の報告も歓迎いたします。
多くのみなさまの参加をお待ちしております。

第2回内視鏡的全層切除・縫合法研究会 当番世話人

井上 晴洋

日時 2020年12月26日(土) WEB開催

最優秀演題賞


Ⅳ-① 消化管分野における軟性内視鏡用小型ステープラの開発

野中 哲(国立がん研究センター中央病院内視鏡科/国立がん研究センター先端医療開発センター
内視鏡機器開発分野(築地))

プログラム

【開会挨拶 - 当番世話人挨拶】 10:00 - 10:05
井上 晴洋 (昭和大学江東豊洲病院 消化器センター)
【International session】 10:05 - 11:00
Moderators: Lawrence Ho (National University of Singapore (NUS), Singapore)
Haruhiro Inoue (Showa University Koto Toyosu Hospital, Tokyo)
  • 「EFTR in USA and Asia」
  • 1.Current situation of EFTR in Asia
    Philip Chiu (The Chinese University of Hong Kong, Hong Kong)
  • 2.Current situation of EFTR in USA
    Hiroyuki Aihara (Brigham and Women’s Hospital, Harvard Medical School, U.S.A.)
    Special Remarks: Hisao Tajiri (The Jikei University School of Medicine, Tokyo)
【一般演題 SessionⅠ】 11:00 - 11:30
司会:糸井 隆夫 (東京医科大学 消化器内科)
   良沢 昭銘 (埼玉医科大学国際医療センター 消化器内科)
  • Ⅰ-① ERCP中に十二指腸穿孔を来し、Over The Scope Clipで穿孔の閉鎖に成功した1例
    岐阜大学医学部附属病院 第一内科 岩佐 悠平
  • Ⅰ-② OTSCが有用であったEUS施行時における十二指腸穿孔の一症例
    昭和大学江東豊洲病院 消化器センター 篠原 浩樹
  • Ⅰ-③ 超音波内視鏡下胃空腸吻合術により長期開存が得られた良性十二指腸狭窄の1例
    東京医科大学 臨床医学系消化器内科学分野 土屋 貴愛
【一般演題 SessionⅡ】 11:30 - 12:15
司会:炭山 和毅 (東京慈恵会医科大学 内視鏡医学講座)
   塩飽 洋生 (福岡大学医学部 消化器外科)
  • Ⅱ-① 経口内視鏡的腫瘍核出術(POET)の臨床経験 -全層切除となった症例を中心に-
    福岡大学 消化器外科 塩飽 洋生
  • Ⅱ-② Pure NOTES Fundoplicationにおける粘膜下トンネル法の安全性
    昭和大学江東豊洲病院 消化器センター 消化管内科 年森 明子
  • Ⅱ-③ 胃ESD後偶発症予防目的の新たな内視鏡的創面縫縮法:Endoscopic Ligation with O-ring Closure (E-LOC)
    香川大学医学部附属病院 消化器内科 西山 典子
  • Ⅱ-④ トラクション併用下胃壁全層切除及びO-リング併用OTSC(Ovesco)による全層内反縫合:in vivo experience
    香川大学医学部 消化器・神経内科 小原 英幹
  • Ⅱ-⑤ 内視鏡的全層切除術の可能性~Endoscopic Muscularis Dissection (EMD)の導入、そしてport併用 EFTRの経験から~
    横浜市立大学附属市民総合医療センター 内視鏡部 平澤 欣吾
【一般演題 SessionⅢ】 12:15 - 13:00
司会:豊永 高史 (神戸大学大学院 消化器内科学分野)
   上堂 文也 (大阪国際がんセンター 消化管内科)
  • Ⅲ-① 本邦初の内視鏡縫合器(OverStitch SxTM)を用いた内視鏡的スリーブ状胃形成術
    東京慈恵会医科大学 内視鏡医学講座 土橋  昭
  • Ⅲ-② 抗血栓薬服用者における胃ESD後粘膜欠損部に対する内視鏡的手縫い縫合法の有効性
    慶應義塾大学医学部 腫瘍センター 低侵襲療法研究開発部門/日本医科大学 消化器内科学 飽本 哲兵
  • Ⅲ-③ 全層欠損部閉鎖における留置スネア+クリップ法の工夫
    日本医科大学付属病院 消化器・肝臓内科 樋口 和寿
  • Ⅲ-④ 胃GISTに対し内視鏡的全層切除術(EFTR)を施行しLoop9法にて全層縫合した一例
    昭和大学江東豊洲病院 消化器センター 藤吉 祐輔
  • Ⅲ-⑤ 胃ESD後出血ハイリスク症例における切除後潰瘍に対する巾着縫合法の有用性
    広島大学病院 内視鏡診療科 小刀 崇弘
【一般演題 SessionⅣ】 13:00 - 13:45
司会:小野 裕之 (静岡県立静岡がんセンター 内視鏡科)
   阿部 展次 (杏林大学医学部 消化器・一般外科)
  • Ⅳ-① 消化管分野における軟性内視鏡用小型ステープラの開発
    国立がん研究センター中央病院内視鏡科/国立がん研究センター先端医療開発センター
    内視鏡機器開発分野(築地) 野中  哲
  • Ⅳ-② 内視鏡的全層切除術を行ったGlomus腫瘍の一例
    大阪国際がんセンター 消化管内科 三宅 宗彰
  • Ⅳ-③ 術前診断が困難であった胃 myxoid epithelioid GISTに対して内視鏡的切除を行った1例
    大森赤十字病院 消化器内科 桑原 洋紀
  • Ⅳ-④ SBクリップとSTRATAFIX縫合糸を用いた縫合法
    市立四日市病院 消化器内科 小林  真
  • Ⅳ-⑤ 胃粘膜下腫瘍に対し内視鏡的漿膜下層剥離術(ESSD)を施行した一例
    昭和大学江東豊洲病院 消化器センター 福田  舞
【Special report】 13:45 - 14:00
司会:斎藤  豊 (国立がん研究センター中央病院 内視鏡科)
  • 胃粘膜下腫瘍に対する『内視鏡的胃局所切除術』の先進医療A承認について
    大阪国際がんセンター 消化管内科 上堂 文也
【Special session】 14:05 - 14:45
司会:後藤  修 (日本医科大学付属病院 消化器・肝臓内科)
  • Endoscopic hand suturing technique in the colorectum
    -Pros & Cons compared with other suturing technique-

    軟性持針器による大腸粘膜縫合法(他の縫合法との比較、メリット/デメリット)
    国立がん研究センター中央病院 内視鏡科 斎藤  豊
    共催:オリンパス株式会社
【一般演題 SessionⅤ】 14:45 - 15:30
司会:矢作 直久 (慶應義塾大学医学部 腫瘍センター)
   阿部 展次 (杏林大学医学部 消化器・一般外科)
  • Ⅴ-① Reopenable-clip Over the Line MethodとModified locking-clip techniqueを用いた,十二指腸ESD後粘膜欠損閉鎖法
    伊勢赤十字病院 消化器内科 野村 達磨
  • Ⅴ-② 胃EFTRに先端多方向可変型トラクションデバイスは有用か?
    ?スパイグラスを用いたブタ切除胃EFTRの経験?

    杏林大学医学部 消化器・一般外科学
    竹内 弘久
  • Ⅴ-③ 糸付きクリップ縫縮法(Micro-ring法)による胃ESD後出血予防の可能性
    福井県立病院 消化器内科 青柳 裕之
  • Ⅴ-④ 高接着性ゼラチン疎水化ミクロ粒子のESD後潰瘍に対する作用
    鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学 佐々木文郷
【一般演題 SessionⅥ】 15:30 - 16:15
司会:田中 信治 (広島大学大学院 医系科学研究科 内視鏡医学)
   山本 博徳 (自治医科大学 内科学講座)
  • Ⅵ-① 内視鏡的手縫い縫合法を用いた直腸癌術後縫合不全対策の提案
    日本医科大学付属病院 消化器・肝臓内科 小泉英里子
  • Ⅵ-② 大腸ESD後粘膜欠損部に対するSBクリップを用いた縫縮法
    広島市立安佐市民病院 消化器内科 益田 啓志
  • Ⅵ-③ 大腸ESD後出血予防の連続縫合法の経験
    国立がん研究センター中央病院 内視鏡科 江郷 茉衣
  • Ⅵ-④ 消化管腫瘍に対するOver-The-Scope Clip併用EMR“EMRO”の治療成績
    埼玉医科大学国際医療センター 消化器内科 田島 知明
  • Ⅵ-⑤ 新しい内視鏡的縫縮術(Loop9法)の開発と治療成績
    昭和大学江東豊洲病院 消化器センター 田邊 万葉
【イブニングセミナー】 16:15 - 16:45

司会: 森  宏仁 (愛媛労災病院 消化器病センター/聖マリアンナ医科大学病院)

「ゼオスーチャーMの展開」
1.聖マリアンナ医科大学病院 消化器・肝臓内科 佐藤 義典
2.NTT関東病院 消化器内科 消化器・肝臓内科 港  洋平
共催:ゼオンメディカル株式会社
【閉会挨拶 - 次回当番世話人挨拶】 16:45 - 16:50
慶應義塾大学医学部 腫瘍センター 矢作 直久

【第2回内視鏡的全層切除・縫合法研究会協賛企業】

アストラゼネカ株式会社
株式会社ウイン・インターナショナル
エム・シー・メディカル株式会社
オリンパス株式会社
カイゲンファーマ株式会社
株式会社カネカメディックス
コヴィディエンジャパン株式会社
ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社
ゼオンメディカル株式会社
ゼリア新薬工業株式会社
第一三共株式会社
武田薬品工業株式会社
富士フイルムメディカル株式会社
ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社
メリットメディカル・ジャパン株式会社

社会福祉法人あそか会あそか病院
医療法人鉄蕉会亀田総合病院
医療法人財団献心会川越胃腸病院
医療法人楽生会木根淵外科胃腸科病院
医療法人社団宮﨑会木挽町医院
医療法人幕内会山王台病院
医療法人社団中央みなと会
医療法人横浜未来ヘルスケアシステム戸塚共立第1病院
医療法人横浜未来ヘルスケアシステム戸塚共立第2病院
晴海3丁目クリニック
(順不同)

第2回内視鏡的全層切除・縫合法研究会の開催に際し、上記の企業・団体の多大なるご援助をいただきました。ここに厚く御礼申し上げます。

2020年12月

内視鏡的全層切除・縫合法研究会 代表世話人
第2回内視鏡的全層切除・縫合法研究会 当番世話人
昭和大学江東豊洲病院 消化器センター

井上 晴洋